福井茂兵衛(読み)ふくい もへえ

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「福井茂兵衛」の解説

福井茂兵衛 ふくい-もへえ

1860-1930 明治-大正時代の舞台俳優。
安政7年2月24日生まれ。中村正直(まさなお)の同人社にまなんだのち,新聞事業などにたずさわり,この間政治運動に熱中した。明治24年川上音二郎(おとじろう)一座にくわわり,26年わかれて一座を結成。30年以降は京阪改良演劇,翻案劇を上演するなど新派の改革につくす。昭和5年2月26日死去。71歳。江戸出身。俳名は鳴鹿。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の福井茂兵衛の言及

【新派】より

…演技・演出ともに基本的には歌舞伎の物まねであったが,書生的な蛮声をはりあげての弁舌が注目された。もう一つの出発点は,91年11月に浅草の吾妻座で伊井蓉峰(ようほう)が〈男女合同改良演劇〉と称して〈済美館(せいびかん)〉を興し,依田学海《政党美談淑女之操》などを上演し,また翌年7月市村座で山口定雄が,93年6月吾妻座で福井茂兵衛(1860‐1930)が,それぞれ一座を組織し旗揚げをした動きである。彼らには政治色はまったくなく山口は元歌舞伎役者だし,伊井も芝居好きで銀行勤めからこの世界にとびこんだ人間であった。…

※「福井茂兵衛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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