福永御厨・福永庄(読み)ふくながのみくりや・ふくながのしよう

日本歴史地名大系 「福永御厨・福永庄」の解説

福永御厨・福永庄
ふくながのみくりや・ふくながのしよう

福永庄は現長浜市北西部の神照かみてる町・新庄寺しんじようてら町・新庄馬場しんじようばんば町・新庄中しんじようなか町・十里じゆうり町・小沢こざわ町一帯に比定され、平安末期よりその存在が知られる。伊勢神宮領福永御厨の領域も福永庄とほぼ一致していたと考えられる。「玉葉」治承五年(一一八一)六月一三日条によると、「大神宮御領近江国福永御厨文書」が、殿上の公卿たちの間で回覧されている。この文書は同書翌月一三日条の九条兼実消息にみえる訴訟と関連するもので、消息の内容は御厨執行職をめぐる親国・親次の争いについて、保延四年(一一三八)の明法勘状に従えば親国に理があるが、不明の場合は明法家の勘決を受けよという指示であった。建久三年(一一九二)八月日の伊勢大神宮神領注文(神宮雑書)によれば、当御厨は永久年中(一一一三―一八)に成立したもので、保延四年に宣旨を下され、供祭物として上分米三石・神馬一疋・長日御幣紙三六〇帖および起請雑用があげられているが、神馬と御幣紙は近年上納されていない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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