ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「福王子法林」の意味・わかりやすい解説
福王子法林
ふくおうじほうりん
[没]2012.2.21. 東京
日本画家。本名福王子雄一。荘重なヒマラヤ山脈の連作で知られる。6歳のときに事故で左目を失明するが,狩野派の老画家上村廣成に小学校 2年から日本画の手ほどきを受け,1936年に画家を志し上京。1941年に応召,中国大陸を転戦した。1949年『山村風景』が日本美術院展覧会初入選。1951年から田中青坪に師事。その後,身辺の光景や草木を描いた『朝』『落葉』『麦』などの作品で注目を集め,1960年『北の海』で日本美術院賞・大観賞を受賞,同人に推挙された。1974年から毎年ヒマラヤ,ネパールを旅し,同地での雄大で神秘的な眺望をテーマにした作品を発表。1977年『ヒマラヤ連峰』で芸術選奨文部大臣賞,1984年『ヒマラヤの花』で日本芸術院賞を受賞した。1994年に日本芸術院会員,1998年文化功労者となり,2004年に文化勲章を受章した。
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