私的諮問機関(読み)シテキシモンキカン

デジタル大辞泉 「私的諮問機関」の意味・読み・例文・類語

してき‐しもんきかん〔‐シモンキクワン〕【私的諮問機関】

国の行政機関地方公共団体執行機関に設けられる会合外部有識者や実務経験者を招いて、行政上の課題について議論提言を行う。大臣首長などの決裁により開催されるもので、法令に基づいて設置される審議会とは区別される。審議会と区別するため、懇談会懇話会・考える会・検討委員会・事務局などの名称が用いられる。
[補説]法令に基づいて設置される審議会の委員は公務員であり、審議会は公的機関として答申を提出する。これに対して、私的諮問機関には法的な制約がなく、出席者が私人として意見を表明・交換する場とされる。懇談会など私的諮問機関の報告・提言は、公的な諮問機関である審議会等の答申と同じように、実質的に行政運営に影響を及ぼし得る。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「私的諮問機関」の解説

私的諮問機関

審議会とは別に内閣総理大臣や省庁大臣、局長の下に「研究会」「懇談会」といった名称の諮問機関が置かれている。審議会と違って、法令上に設置の根拠を持たないところから「私的」といわれ、その経費官房機密費などから支弁されている。しかし、その機能は決して「私的」ではなく、場合によっては審議会以上に強い影響力を持つ。審議会への諮問事項は、ここでの調査研究や、法案原案の作成を踏まえていることが多い。

(新藤宗幸 千葉大学法経学部教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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