日本大百科全書(ニッポニカ) 「秋元氏」の意味・わかりやすい解説
秋元氏
あきもとうじ
江戸時代の譜代大名(ふだいだいみょう)家。関東の名族宇都宮(うつのみや)氏を祖とし、上総国(かずさのくに)周准(すす)郡秋元庄(しょう)(千葉県君津市)を領したので秋元を名字としたという。秋元氏16世と称する長朝(ながとも)は1592年(文禄1)初めて徳川家康に仕え、しだいに累進して上野国(こうずけのくに)群馬郡惣社(そうじゃ)に居し、1万石を領するに至った。その子泰朝(やすとも)は家康に近侍し、「近習出頭人」の一人と称され、甲斐国(かいのくに)都留(つる)郡で1万8000石を与えられ谷村(やむら)城に住した。5代将軍徳川綱吉(つなよし)に仕えた喬知(たかとも)は老中に登用され、武蔵国(むさしのくに)川越城に移され、6万石を領するに至った。その後封地は出羽(でわ)山形、上野館林(たてばやし)と移り廃藩に至った。ほかに陸奥国(むつのくに)鹿角(かづの)にも一族が分布している。
[林 亮勝]