朝日日本歴史人物事典 「秋良貞臣」の解説
秋良貞臣
生年:天保12.4.1(1841.5.21)
明治期の塩業家。周防国(山口県)阿月に生まれる。長州藩士として倒幕に,山口県官として萩の乱鎮圧にも活躍したが,平時は藩の殖産興業に携わった。防長塩田会の結成に努め,明治12(1879)年防長塩田会社社長。また十州塩業界の糾合に奔走し,十州塩田惣代人,組合本部長,大日本塩業同盟会委員長などを歴任し,全国塩業界で指導的役割を果たした。国の塩業諮問会,水産諮問会には山口県代表として出席,31年塩業調査会設立時には委員に任命され,日本塩業の発展に尽力した。38年塩専売法施行の直前に病没。著述に『煮海私記』14巻がある。<参考文献>臼杵華臣「秋良貞臣小伝」(三浦源蔵『塩製秘録』復刻,1960)
(村上正祥)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報