税所篤(読み)さいしょ・あつし

朝日日本歴史人物事典 「税所篤」の解説

税所篤

没年:明治43.6.21(1910)
生年:文政10.11.5(1827.12.22)
幕末薩摩藩士,明治政府高官。西郷隆盛,大久保利通らと親交があった。文久年間(1861~64),精忠組の有力者だった。元治1(1864)年の禁門の変に活躍。第1次長州征討に際し,西郷,吉井友実らと共に広島に赴き,長州藩の降伏処理と五卿の筑前遷移に当たった。明治1(1868)年,維新政府の徴士,内国事務局権判事となり,以後大阪府権判事,河内知県事,兵庫県権知事,堺県知事,堺県令,奈良県令を歴任,22年元老院議官,翌23年宮中顧問官,38年までその職にあり,同年,枢密顧問官就任,没年におよんだ。20年5月,勲功により子爵。書と古美術品の鑑定に秀でていた。

(福地惇)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「税所篤」の解説

税所篤 さいしょ-あつし

1827-1910 江戸後期-明治時代の武士,政治家。
文政10年11月5日生まれ。薩摩(さつま)鹿児島藩士。文久2年大久保利通らとともに西郷隆盛の奄美(あまみ)大島からの呼びもどし工作にあたる。戊辰(ぼしん)戦争では大坂財務を担当。維新後は河内(かわち)県,兵庫県,堺(さかい)県などの知事,元老院議官,枢密顧問官などを歴任した。明治43年6月21日死去。84歳。通称は喜三左衛門。号は厳舎,鵬北。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android