稽首・啓首(読み)けいしゅ

精選版 日本国語大辞典 「稽首・啓首」の意味・読み・例文・類語

けい‐しゅ【稽首・啓首】

〘名〙 (「稽」は深く礼拝する意)
① 仏語。頭を深くたれて地につけること。うやうやしく礼をすること。
※観彌勒菩薩上生兜率天経跋‐天平一〇年(738)六月二九日「出雲国守従五位下勲十二等石川朝臣年足、稽首和南十方諸仏」 〔書経‐舜典〕
書簡末尾に用いて、相手に敬意を表わす語。頓首
※木因宛芭蕉書簡‐天和二年(1682)三月二〇日「来る卯月末五月之比は必上り候而可御意候。啓首
[語誌](1)「稽首」は「頓首」と同様、書簡の書止め語であるが、「頓首」に比べ、使用例は少ない。また、「頓首」が漢籍系漢語であるのに対し、「稽首」は仏典系漢語であるという違いがある。
(2)「稽首」は、書止め語として単独でも使われるが、「稽首謹言」「稽首再拝」のように他の語とともに使われる場合も多い。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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