頓首(読み)トンシュ

デジタル大辞泉 「頓首」の意味・読み・例文・類語

とん‐しゅ【頓首】

[名](スル)《「とんじゅ」とも》
中国礼式で、頭を地面にすりつけるように拝礼すること。ぬかずくこと。
手紙文末尾に書き添えて、相手に対する敬意を表す語。「頓首再拝」
[類語](2かしこ敬具敬白謹言拝具草草怱怱不一不二

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精選版 日本国語大辞典 「頓首」の意味・読み・例文・類語

とん‐しゅ【頓首】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「とんじゅ」とも )
  2. 古く、中国の礼式で周礼(しゅらい)九拝の一つ。頭を地につくように下げて、うやうやしくする敬礼
    1. [初出の実例]「頓首 ヌカツク トンジュ」(出典:色葉字類抄(1177‐81))
    2. 「明衡頓首(トンシュ)して、御前へ差出せば」(出典:浄瑠璃伽羅先代萩(1785)九)
    3. [その他の文献]〔周礼‐春官・大祝〕
  3. 書簡文や上表文の終わりに付け、相手に対して敬意を示す語。
    1. [初出の実例]「臣安万侶、誠惶誠恐、頓首頓首」(出典:古事記(712)序)
    2. 「誓願違へ給ふなとんしゅ源の頼親と書き記し」(出典:浄瑠璃・頼光跡目論(1661‐73頃)四)
    3. [その他の文献]〔曹植‐上責躬応詔詩表〕

頓首の語誌

は平安後期の「高山寺本古往来」に、書止め語としても頭語としても見られるように、古くはどちらにも用いられていた可能性がある。これは、冒頭と末尾に同じ語を繰り返し用いる中国での用法にならったものと考えられる。

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普及版 字通 「頓首」の読み・字形・画数・意味

【頓首】とんしゆ

頓首の礼。のち上表や書に用いる。唐・柳宗元淮夷を平らぐるの雅を献ずる表〕みて淮夷(わいい)をらぐるの(つく)る。~庶(ねが)はくは(こ)れを後代に施さん。~みて昧死再拜して以て獻ず。臣宗元懼、頓首頓首、言。

字通「頓」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の頓首の言及

【叩頭】より

…中国古来の拝礼の一つ。〈叩頭〉は後漢のころから,古く《周礼(しゆらい)》に挙げられた〈九拝〉の一つ〈頓首〉と同義通用するようになったという。いわゆる〈拝〉は,立ったままする〈揖(ゆう)〉と異なり,基本的に頭・手・足をともに用いる跪拝のことで,〈頓首〉〈叩頭〉は,ひざまずいて両手を胸の前で重ねあわせ,頭額を急激に地面に叩きつけて行った。…

※「頓首」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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