穀物選別機(読み)こくもつせんべつき

改訂新版 世界大百科事典 「穀物選別機」の意味・わかりやすい解説

穀物選別機 (こくもつせんべつき)

脱穀,もみすり,精米精選などのさい,わらくず,ごみ,不良砕粒などを分離,除去するために用いられる農機具穀粒の大小,形状,比重,表面の摩擦,光の透過度などの違いを利用して,風力ふるい,くぼみつきの円板や円筒などを用いて行う。選別の方法によっていろいろな種類がある。穀物に付着したごみや土ぼこり,未熟粒,砕粒を風力で除くものは唐箕(とうみ)といい,落下する穀粒に横方向から風をあてると充実した粒は手前に,軽いわらやごみは遠方にとぶ。もみすり機から出る玄米ともみの混合物から玄米を得る選別機を万石といい,多重傾斜金網式や摩擦や比重差を利用する揺動選別機などが用いられる。玄米から小米や砕粒を除く機具は米選機といい,ピアノ線を一定間隔に張った縦線米選機,スリットを切った回転ドラム型などが用いられる。また米粒のみならず広く粒の大小による分離,異種穀物の分離などに,くぼみをつけた円筒(シリンダーセパレーター)や円板(ディスクセパレーター)が用いられる。コムギの精選にはミリングセパレーターが,割れたマメなどを除くのにはベルト選別機が用いられる。コンバイン収穫穀物は穀物,わら,ごみともに水分が高く,選別が困難であるが,これらから大きなわらなどを除き精穀を得る選別機はスカルパーscalperという。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報