万石(読み)マンゴク

デジタル大辞泉 「万石」の意味・読み・例文・類語

まん‐ごく【万石】

知行などの、1万石。

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精選版 日本国語大辞典 「万石」の意味・読み・例文・類語

まん‐ごく【万石】

  1. 〘 名詞 〙 知行などの、一万石
    1. [初出の実例]「万石(マンコク)より上は神」(出典:吾妻紀行(1691)上)

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改訂新版 世界大百科事典 「万石」の意味・わかりやすい解説

万石 (まんごく)

万石通し,千石通しなどいろいろの呼び名がある。もみすりしたあと,玄米とそれに混ざっているまだもみすりされていないもみとを選別する日本独特の農具で,元禄(1688-1704)のころ発明された。木製の枠に金網(初期にはシュロの方が多かった)を張り,傾斜して固定し,上部から未選別のものを流し込み,それが斜面を流下していくうちに,玄米ともみの大きさ,比重,表面粗度の違いにより玄米が流れる層の下に移動し,網目をとおって落下し,一方もみはそのまま網面から流れ出て選別が行われる。初期のものはかならずしも選別性能はよくなかったようで,かなりのもみが残っていたし,玄米より小さい小米(こごめ)や砕米(さいまい)は当然玄米とともに落ちるので,最後は盆にとって一粒よりで仕上げねばならなかった。畿内では,この仕上げのために〈ゆり板〉が用いられた。木の平たい箱の他端を天井からつるして回すように揺すり,玄米だけをより分けるものである。なお,万石は改良されるとともに2段,3段と重ねられ,大正年間より普及した動力もみすり機に組み合わされ,さらに傾斜角を供給量に応じて調節する自動万石となった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「万石」の意味・わかりやすい解説

万石
まんごく

穀粒と殻をふるい分ける農具の一種。1枚から4枚のふるい状の網目の異なった金網を斜めに組合せ,最上部についているじょうごから穀粒を投入するようになっている。網目の数によって一重式と多重式がある。籾すり機にかけただけで未選別の玄米と殻の場合,金網を通る過程で,玄米,籾それぞれにその適した網目から落下し,殻は浮流して選別される。現在の籾すり機には万石の機能が組込まれているので,ほとんど利用されていない。延宝8 (1680) 年頃に発明されたと伝えられる。

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普及版 字通 「万石」の読み・字形・画数・意味

【万石】ばんせき

三公の禄。

字通「万」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の万石の言及

【穀物選別機】より

…穀物に付着したごみや土ぼこり,未熟粒,砕粒を風力で除くものは唐箕(とうみ)といい,落下する穀粒に横方向から風をあてると充実した粒は手前に,軽いわらやごみは遠方にとぶ。もみすり機から出る玄米ともみの混合物から玄米を得る選別機を万石といい,多重傾斜金網式や摩擦や比重差を利用する揺動選別機などが用いられる。玄米から小米や砕粒を除く機具は米選機といい,ピアノ線を一定間隔に張った縦線米選機,スリットを切った回転ドラム型などが用いられる。…

※「万石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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