空気頭(読み)クウキアタマ

デジタル大辞泉 「空気頭」の意味・読み・例文・類語

くうきあたま【空気頭】

藤枝静男小説。昭和42年(1967)、雑誌群像」に掲載同年同作を表題作とする作品集を刊行。第18回芸術選奨文部大臣賞(文学部門)受賞

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「空気頭」の意味・わかりやすい解説

空気頭
くうきあたま

藤枝静男の中編小説。1967年(昭和42)8月『群像』に掲載。同年10月講談社刊の『空気頭』に収録。「一分一厘」も自分の考えや生活をゆがめることなく、それを基本にしながら、自己と他とを識別する方法意識で書かれたもの。結核の妻の日常を忠実に描きつつ、非現実の奥に潜む幻想談を展開。「私小説」に即しながらも「私小説」を乗り越ええた作品として評価された。志賀直哉(しがなおや)や滝井孝作への敬愛を一貫してもちつつ、その亜流に終わることなく、私小説と観念小説との接合をみごとに成し遂げた作品。

紅野敏郎

『『空気頭・欣求浄土』(講談社文庫)』

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