空輪(読み)クウリン

精選版 日本国語大辞典 「空輪」の意味・読み・例文・類語

くう‐りん【空輪】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。仏教の世界観である、須彌山(しゅみせん)をささえる最下底をいう。この上に順次風輪、水輪、金輪があるとする。〔仏祖統紀‐三一〕
  3. くうだい(空大)〔総釈陀羅尼義讚〕
  4. 親指のこと。〔蘇悉地羯羅供養法‐二〕
  5. 五輪塔の最上部にある宝珠形。
  6. 仏塔の最上部にある金属で作られている九個の輪からなる部分。相輪。九輪。
    1. [初出の実例]「東寺の塔の空輪」(出典:名語記(1275)六)
  7. ( 「輪」は「法輪」の意 ) 空の教え。〔転法輪優波提舎〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の空輪の言及

【塔】より

…なお,籾(もみ)塔というのは,高さ2~3寸ほどの宝篋印形木製小塔で,平安時代末から鎌倉時代にかけてのものがあり,小塔供養に用いられたものであろう。五輪塔(図4)は方形の地輪,球形の水輪,宝形造の火輪,半球形の風輪,宝珠形の空輪からなるもので,平安時代から現れ,各輪四方に梵字を彫ったものが多く,最も多くつくられた石塔である。また板碑(いたび)は五重塔の簡略化されたものともみられよう。…

※「空輪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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