空鞘(読み)ソラザヤ

デジタル大辞泉 「空鞘」の意味・読み・例文・類語

そら‐ざや【空×鞘】

刀身よりもずっと長く作ったさや。
余裕ゆとり
「―モナイ人」〈日葡
中身外見が違うこと。
仲人の―もなき無疵もの」〈柳多留拾遺・初〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「空鞘」の意味・読み・例文・類語

そら‐ざや【空鞘】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 刀を長く見せるため、実際の刀身よりも不相応に長く作った鞘。
    1. [初出の実例]「宝をば身にあまるほど持にけり こがねづくりの太刀のそらざや」(出典:俳諧・新撰犬筑波集(1532頃)雑)
  3. 転じて、すきま。余裕。ゆとり。
    1. [初出の実例]「Sorazayamo(ソラザヤモ) ナイ ヒト〈訳〉純朴で二心のない人。また万事に性急で、のんびりしていることなどない人」(出典日葡辞書(1603‐04))
  4. 事実よりも大げさであること。多く「空鞘もない」の形で、掛値なしであることにいう。
    1. [初出の実例]「集百家注と云は、そらさやもないぞ」(出典:四河入海(17C前)一)
  5. そとども(外艫)和漢船用集(1766)〕

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