大立者(読み)オオダテモノ

デジタル大辞泉 「大立者」の意味・読み・例文・類語

おお‐だてもの〔おほ‐〕【大立(て)者】

芝居一座で最も実力のある俳優
ある社会で最も重んじられている人。「財界大立て者
[類語](1名優千両役者スター花形立て役者座頭ざがしらヒーローヒロインアイドルカリスマ一枚看板人気者売れっ子はやりっ子寵児/(2重鎮首脳幹部要人元老柱石大黒柱実力者有力者中心人物キーパーソン

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精選版 日本国語大辞典 「大立者」の意味・読み・例文・類語

おお‐だてものおほ‥【大立者】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「おおたてもの」とも )
  2. 芝居の一座で中心となる、すぐれた俳優。
    1. [初出の実例]「又一座の大立物が聞ずてにせず指南せば、文盲至極の敵役も少は嗜べし」(出典:談義本・当世下手談義(1752)一)
  3. その社会で、最も尊重されるもの。その社会を代表する実力者。
    1. [初出の実例]「今ぢゃア大達者(オホダテモノ)になったといふ噂だが成ほど少しも言分のなひ唄女(げいしゃ)だノ」(出典人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)二)
  4. 人の関心をつよくひいたり、気に入られたりするもの。
    1. [初出の実例]「何の中でも金銭は、人の気をとる大立(オホダ)てもの」(出典:人情本・花筐(1841)初)

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世界大百科事典(旧版)内の大立者の言及

【歌舞伎】より

… 6,7月は原則として芝居を休んだが,のちには〈夏芝居〉といって,ふだんは大役をもらえない低い地位の役者を中心にし,入場料の安い勉強芝居を興行することがあった。文化・文政期になると,大立者も参加して,夏向きの狂言を演ずる特別興行を行うこともあった。9月は〈秋興行〉または〈菊月興行〉と呼び,年度における最後の興行であることから〈御名残興行〉ともいった。…

【立者】より

…立者のうち,人品,技量ともすぐれた立役の上位者を〈座頭(ざがしら)〉といい,一座を統率する。この座頭と立女方,書出し,中軸(なかじく),客座を特に〈大立者(おおだてもの)〉と呼ぶ。【富田 鉄之助】。…

※「大立者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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