筋違道(上道)(読み)すじかいみち(かつじようみち)

日本歴史地名大系 「筋違道(上道)」の解説

筋違道(上道)
すじかいみち(かつじようみち)

御所市の中央部、大字蛇穴さらぎ南部に小字筋貝すじかいがあり、旧葛上郡の東北(畝傍山方向)から西南(金剛山方向)に走る古道跡が残る。大字本馬ほんま茅原ちはらでは今も葛上道と称し、大字宮戸みやどでは行者ぎようじや道とよんでいる。茅原吉祥草きちじようそう寺の縁起および天授元年(一三七五)の葛城筋違行者道再興許状(江戸時代書写)にみえる葛上道である。

多武峯談山とうのみねだんざん神社(現桜井市)所蔵の永正(一五〇四―二一)頃の地図によると、横大路曾我よこおおじそが村付近(現橿原市)に「葛上道ヲ限ル」として西南方向に斜向道路を図示している。すなわち、三輪(現桜井市)・藤原地方(現橿原市)から横大路を西進、曾我・葛城両川の中間部(葛下郡二六―二九条の各一里、ならびに忍海郡三〇―三二条の各一里付近)南下奥田おくだ(現大和高田市)経由、茅原から西南方に斜向、蛇穴・宮戸・名柄ながら朝妻あさづまを経て「葛城高宮たかみや(現大字西佐味)に通ずる直線的距離の古道で、三箇院家抄(内閣文庫蔵大乗院文書)に「南興田庄、忍海郡下津道ヨリ西也」とある大路であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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