…なお,〈なべかぶり祭〉と呼ぶ奇祭が滋賀県米原町の筑摩(ちくま)神社に伝えられている。《伊勢物語》などに見られるごとく,〈筑摩(つくま)の祭〉として平安時代すでに都にも知られていた祭りで,女たちが交渉をもった男たちの数だけ,なべを重ねてかぶり,神幸にしたがったもので,なべの数を偽れば神罰をこうむるとされていた。いまは張子のなべをかぶった少女たちが神輿に随行するが,これはなべが呪具(じゆぐ)としての意味をもっていたためだとされる。…
※「筑摩の祭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」