筑紫園右衛門(読み)つくし・そのえもん

朝日日本歴史人物事典 「筑紫園右衛門」の解説

筑紫園右衛門

没年元禄7.3(1694)
生年:生年不詳
江戸前期の武士。元禄6(1693)年江戸に「ソロリコロリ」という悪疫が流行した際,鹿野武左衛門噺本『鹿の巻筆』(1686刊)巻3の「堺町馬の顔見世」にヒントを得て,南天の実と梅干を煎じて飲めば予防できると,『病除の方書』を刊行して説き,江戸市中に大混乱を生じさせた。このために園右衛門は流言飛語の張本として死罪となり,事件に無関係な武左衛門伊豆大島へ遠島,『鹿の巻筆』の版木は焼却処分となったという。

(宇田敏彦)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「筑紫園右衛門」の解説

筑紫園右衛門 つくし-そのえもん

?-1694 江戸時代前期の武士。
元禄(げんろく)6年江戸にソロリコロリという病気が流行したとき,鹿野(しかの)武左衛門の噺本(はなしぼん)「鹿の巻筆」を参考にしてナンテンの実と梅干しを煎じてのめば予防できるとする「病除の方書」を出版。江戸市民をまどわせた罪で元禄7年3月11日処刑された。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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