朝日日本歴史人物事典 「筑紫園右衛門」の解説
筑紫園右衛門
生年:生年不詳
江戸前期の武士。元禄6(1693)年江戸に「ソロリコロリ」という悪疫が流行した際,鹿野武左衛門の噺本『鹿の巻筆』(1686刊)巻3の「堺町馬の顔見世」にヒントを得て,南天の実と梅干を煎じて飲めば予防できると,『病除の方書』を刊行して説き,江戸市中に大混乱を生じさせた。このために園右衛門は流言飛語の張本として死罪となり,事件に無関係な武左衛門も伊豆大島へ遠島,『鹿の巻筆』の版木は焼却処分となったという。
(宇田敏彦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報