算師(読み)サンシ

精選版 日本国語大辞典 「算師」の意味・読み・例文・類語

さん‐し【算師・算氏】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 令制で、民部省の主計寮(かずえりょう)や主税寮(ちからりょう)に置かれて計数のことをつかさどる官人。主計寮では調、庸や諸収支のことについて、主税寮では租税についてそれぞれ計算した。定員各二人。従八位下相当の官。大宰府にも一人あった。奈良・平安時代には宮内省木工寮(もくりょう)に材木数量の計算をする役として置かれ、造宮職(ぞうぐうしき)、修理職(しゅりしき)にも置かれた。処遇は主計寮のものなどに準じた。かぞえのし。〔令義解(718)〕
  3. 算術の達人。算者。
    1. [初出の実例]「吾為天下第一筭師也。雖隠形筭、寧劣龍猛菩薩之術哉」(出典吾妻鏡‐正治二年(1200)一二月三日)
    2. [その他の文献]〔隋書‐律暦志上〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の算師の言及

【算道】より

…《九章》は測量法や池溝等の構築法,稲粟の収穫の計算法などの例題の多い実用的数学書,《周髀》は天文算法の書,《綴術》は現存しないが,難解な高等理論数学書であったらしい。算道を習得したものは主計寮,主税寮,大宰府などの算師として実務に従事した。奈良~平安時代初期の算博士,算師は渡来系氏族が多いが,まだ特定の氏に固定していない。…

※「算師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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