主計寮(読み)カズエリョウ

デジタル大辞泉 「主計寮」の意味・読み・例文・類語

かずえ‐りょう〔かずへレウ〕【主計寮】

《「かずえ」は「かず(数)う」の連用形から》律令制で、民部省に属し、調および献上物数量を数え、国費支出面などを担当した役所。稲の収納にかかわる主税寮しゅぜいりょうに対する。かずえのつかさ。しゅけいりょう。

しゅけい‐りょう〔‐レウ〕【主計寮】

かずえりょう

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精選版 日本国語大辞典 「主計寮」の意味・読み・例文・類語

かずえ‐りょうかずへレウ【主計寮】

  1. 〘 名詞 〙 令制での官司の一つ。民部省に属して当年の調庸その他の貢納分を計算し、来年収支予算をたてる。職員に頭(かみ)、助(すけ)、大少の允(じょう)、大少の属(さかん)各一人の四等官のほかに、計算の専門家として算師(さんし・かぞえのし)二人、史生六人などがいる。頭と助のうち一人は、算博士(さんはかせ)を兼ねた。おもな税である稲の収納にかかわる主税寮(しゅぜいりょう)に対する。かずえのつかさ。かぞえのつかさ。かずうるつかさ。かぞうるつかさ。かぞえりょう。しゅけいりょう。〔令義解(718)〕

しゅけい‐りょう‥レウ【主計寮】

  1. 〘 名詞 〙 令制での官司の一つ。民部省に属し、当年の調・庸、その他の貢納分を計算し来年の収支の予算をたてる役所。頭(従五位上相当)、助、大允、少允、大属、少属各一人から構成され、算師二人が付属する。かずえのつかさ。かずえりょう。

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改訂新版 世界大百科事典 「主計寮」の意味・わかりやすい解説

主計寮 (しゅけいりょう)

日本古代律令制下の官司機構の一つで民部省の所属。〈かずへのつかさ〉〈かぞふるつかさ〉ともいう。唐名は金部。調・庸・雑物の計納,予算の編成,支出の監査を行う会計官司で,頭(従五位上),助(正六位下),大允(正七位下),少允(従七位上),大属(従八位上),少属(従八位下)の四等官各1人と,算師(2人,従八位下),史生(6人),使部(20人),直丁(2人)とからなる。最も繁忙な官司の一つで,708年(和銅1)には史生が10人に,790年(延暦9)には少允・少属も各2人に増員された。また承和年間(834-848)には寮掌2人が新置され,《延喜式》では史生は11人に増員されたが,使部は10人に減じられている。なお《官職秘抄》には頭・助のうち1人には必ず算博士を兼任させるとあるが,今日知りうる最も早い例は841年に算博士兼主計助となった氷宿禰継麻呂の場合で,それがいつから始まった慣行かは明らかではない。
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百科事典マイペディア 「主計寮」の意味・わかりやすい解説

主計寮【しゅけいりょう】

民部省所属の令制官司。和訓は〈かぞうるつかさ〉のち〈かずえのつかさ〉。職掌は調・庸など現物で納める物の計納,予算の立案配分,支出の監査など。重要かつ繁忙な官司で,職員は頭(かみ)・助(すけ)・大允(だいじょう)・少允・大属(だいさかん)・少属各1人,算師2人,史生(ししょう)6人ほか。708年史生を10人に,790年少允・少属を各2人に,841年(あるいは843年)寮掌2人を新設など。頭は大外記(だいげき)・大夫史(たいふのし)・諸道博士を任じ,頭・助のいずれかは算博士を兼任した。→大宝律令養老律令

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