山川 日本史小辞典 改訂新版 「箱式石棺墓」の解説
箱式石棺墓
はこしきせっかんぼ
板石を箱状に組み合わせて作られた棺をもつ墓。縄文晩期の支石墓(しせきぼ)の埋葬施設として九州西北部に出現。弥生・古墳時代に普及。弥生時代の箱式石棺は九州北部・中国西部を中心に前期から出現し,その後近畿を除く西日本に広く分布。甕棺(かめかん)など他の埋葬施設と群集して共同墓地を構成する。山口県土井ケ浜(どいがはま)遺跡では狭長な一つの石棺に5人の人間が葬られた例がある。副葬品には玉類をはじめ,まれに青銅器などを含む。古墳時代には古墳の埋葬施設として採用された。ただし古墳時代のものを箱形石棺とよぶこともある。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報