支石墓(読み)しせきぼ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

支石墓
しせきぼ

朝鮮半島を中心として,中国東北地区から日本の北九州地方にまで広がる巨石墓の一種。ドルメンと共通する要素が多い。扁平な4枚の板石を地上に立てて四角に組み,その上に大きなふた石を載せた卓子式 (北方式) 支石墓と,地下に石棺や石室をもち,数個の支石の上に塊石を載せる碁盤式 (南方式あるいは変形) 支石墓がある。前数世紀頃から紀元前後頃までの初期金属器時代のものである。日本では弥生時代の前・中期に行われ,その分布は北九州が中心となっている。

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百科事典マイペディアの解説

支石墓【しせきぼ】

中国東北部,朝鮮,日本の九州地方で新石器時代から初期鉄器時代に構築された墳墓。形はヨーロッパのドルメンに近い。中国東北部から朝鮮半島北部に分布する北方式(卓子式)と朝鮮半島中部以南に分布する南方式(碁盤式)の2形式がある。北方式は,板石の支石と巨大な蓋石(ふたいし)で地上に石室を作り,その下に遺体を埋めたもの。南方式は,蓋石を数個の塊石でささえたもので,地下に石棺,土壙(どこう)などの埋葬施設をもつ。日本には南方式が弥生時代早期に伝わったが,埋葬施設に甕棺が加わり小規模になるなど変化が生じている。
→関連項目石ヶ崎遺跡志登支石墓群

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世界大百科事典 第2版の解説

しせきぼ【支石墓】

新石器時代から初期鉄器時代にかけて世界的に分布する巨石墳墓の一種。フランス北西部に数多く知られた,この種の墳墓に対して,ブルトン語で卓または机と石をそれぞれ意味する,ドルメンdolmenの訳語として一般に行われている。ドルメンの語義が示すように,ふつう4個ないし6個の支石(撑石)を立てて方形の墓室をつくり,その上に1枚の巨石を置いたものをいうが,時代や地域によって墓室の構造は多様である。巨岩の上石は,地上に露出しているので,あたかも墓標のような役割も果たすが,原則として封土はみられない。

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大辞林 第三版の解説

しせきぼ【支石墓】

新石器時代末から金石併用時代にかけての巨大な石を用いた墳墓。中国の山東半島・東北部、朝鮮半島、日本の北九州に分布。 → ドルメン

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

支石墓
しせきぼ

中国、朝鮮半島、日本に広く分布する巨石墳墓の一形態。北朝鮮で板石を3~4枚立てて方形石室をつくり、平たい大石をかぶせた卓子形のものを支石と称するのに由来する。朝鮮半島南部では支石が塊石となった碁盤(ごばん)形のものが多いが、第二次世界大戦後の朝鮮半島における調査で「支石のない支石墓」が南北を通じて知られるようになり、蓋石(ふたいし)式支石墓の名称が提唱されている。わが国には縄文時代晩期に農耕技術とともに西北九州地域に伝来した蓋石式、碁盤式があり、福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島県に分布している。弥生(やよい)時代前期までは群集しており、地下には土壙(どこう)、石棺、石室、甕棺(かめかん)などが設けられている。中期になると分布も広がり、大型の合口(あわせぐち)甕棺などがみられるのは半島にない特色であろう。また福岡県須玖(すぐ)遺跡では変型支石墓下の甕棺から三十数面の前漢(ぜんかん)鏡が発見され、奴(な)国の王墓とされている。しかし西暦1世紀後半ごろまでにはほぼ姿を消してしまった。[小田富士雄]

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精選版 日本国語大辞典の解説

しせき‐ぼ【支石墓】

〘名〙 新石器時代末から鉄器時代初期の巨石墳墓の一つ。中国の東北地方東南部から朝鮮半島北部に分布し、日本では縄文時代後期から彌生時代前・中期に九州北部を中心にこの種の遺跡がみられる。巨石記念物中のドルメンに相当する。

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世界大百科事典内の支石墓の言及

【墳墓】より

…ヨーロッパ西部のものが名高いが,東アジア,インドほか世界各地に似たものがある。なお本来の墳丘を失って石室が露出した状況のものをヨーロッパでドルメンと呼んでいるのに対して,東アジア(日本では九州西北~北部の縄文~弥生時代)のドルメン(支石墓)は,もともと墳丘をもたず,巨石をもって標識とした点が違っている。墳丘をつくらず自然の丘を利用して大規模な横穴式墓室をつくることもある。…

※「支石墓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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