米朝首脳会談(読み)べいちょうしゅのうかいだん

共同通信ニュース用語解説 「米朝首脳会談」の解説

米朝首脳会談

北朝鮮金正恩キム・ジョンウン朝鮮労働党総書記は2018年6月にトランプ米大統領(当時)と史上初の米朝首脳会談を行い、朝鮮半島の完全非核化や新たな米朝関係樹立を掲げたシンガポール共同声明に署名した。だが具体的措置を巡る交渉は難航。翌19年2月のハノイでの再会談で金氏は寧辺ニョンビョンの核施設廃棄と引き換えに大幅な制裁緩和を求めたが、トランプ氏が応じず決裂した。同年6月の板門店パンムンジョムでの首脳会談を経て10月にストックホルムで開かれた実務協議では北朝鮮側が決裂を表明。非核化交渉は途絶えた。(北京共同)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「米朝首脳会談」の意味・わかりやすい解説

米朝首脳会談
べいちょうしゅのうかいだん

アメリカと北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の首脳による会談。2018年6月12日、ドナルド・トランプ大統領と金正恩(キムジョンウン)国務委員会委員長により史上初の米朝首脳会談がシンガポールで開催された。トランプ大統領が北朝鮮に安全の保証(朝鮮語では「安全担保」)を約束する一方、金正恩委員長は朝鮮半島の「完全な非核化」に取り組むことを確認する包括的な共同声明に署名。また、(1)新たな米朝関係の構築、(2)朝鮮半島に永続的で安定的な平和体制を構築するための努力、(3)北朝鮮が朝鮮半島の完全な非核化に取り組むとした、南北朝鮮首脳による「板門店(はんもんてん)宣言」(2018年4月)の再確認、(4)戦争捕虜や行方不明兵の遺骨の回収への尽力、が約束された。しかし相互不信は根強く、まもなく膠着(こうちゃく)状態に入った。両首脳は事態の打開を図るべく、2019年2月27日と28日にベトナムのハノイで第2回首脳会談を開催したものの、なんらの合意もなく決裂。同年6月30日には板門店で両者の対面が実現したが、面会は短時間に終わり、「首脳会談」の位置づけとはなっていない。

[礒﨑敦仁 2020年10月16日]

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