米朝首脳会談(読み)べいちょうしゅのうかいだん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「米朝首脳会談」の意味・わかりやすい解説

米朝首脳会談
べいちょうしゅのうかいだん

アメリカと北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の首脳による会談。2018年6月12日、ドナルド・トランプ大統領と金正恩(キムジョンウン)国務委員会委員長により史上初の米朝首脳会談シンガポールで開催された。トランプ大統領が北朝鮮に安全の保証(朝鮮語では「安全担保」)を約束する一方、金正恩委員長は朝鮮半島の「完全な非核化」に取り組むことを確認する包括的な共同声明に署名。また、(1)新たな米朝関係の構築、(2)朝鮮半島に永続的で安定的な平和体制を構築するための努力、(3)北朝鮮が朝鮮半島の完全な非核化に取り組むとした、南北朝鮮首脳による「板門店(はんもんてん)宣言」(2018年4月)の再確認、(4)戦争捕虜や行方不明兵の遺骨の回収への尽力、が約束された。しかし相互不信は根強く、まもなく膠着(こうちゃく)状態に入った。両首脳は事態の打開を図るべく、2019年2月27日と28日にベトナムのハノイで第2回首脳会談を開催したものの、なんらの合意もなく決裂。同年6月30日には板門店で両者の対面が実現したが、面会は短時間に終わり、「首脳会談」の位置づけとはなっていない。

[礒﨑敦仁 2020年10月16日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android