日本歴史地名大系 「米沢城下町方水帳」の解説
米沢城下町方水帳(弘化三年町方水帳)
よねざわじようかまちかたみずちよう
原本 市立米沢図書館
解説 弘化三年に城下町人町の各町検断から町奉行所に提出された水帳で、町人町一九町のうち大町・川井小路(二町で一冊)、東町・免許町・鍛冶町・南町・粡町・立町・柳町・新桶屋町・北町・鉄砲屋町・銅屋町・長町、東寺町・今町(二町で一冊)の一六町分が伝わる。町方の水帳は書上と一枚ものの水帳絵図が一組となっている場合が多いが、この一六町の町方水帳は冊子形式の絵図で、用水は空色、街道は黄土色の着色があり、屋敷地の間口・奥行、軒役の有無、居住人の名・職業・身分などが記され、街道幅や木戸の記載もある。表題は町により、水帳・民数帳・民図帳・御図牒(帳)・見図帳などまちまちで、これは各町検断への水帳提出の布達が口頭でなされたためと思われる。大町以下六町分は原寸彩色で、粡町以下一〇町分は約二分の一に縮小、墨一色で米沢市史編さん委員会から米沢市史編集資料の一つとして復刻されている。また上杉家文書のなかに、原方衆屋敷町を含む城下武家屋敷町の屋敷割を記した同年の御城下並原々屋鋪割帳(屋敷割帳)があり、町方水帳と合せて幕末期における米沢城下全体の構成をうかがうことができる。なお同屋敷割帳は昭和四八年に置賜史談会により復刻された。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報