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米軍再編 べいぐんさいへん

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知恵蔵の解説

米軍再編

日米政府は2006年5月1日、ワシントン在日米軍再編計画に最終合意した。米軍は冷戦終結後、特に地上部隊の整理・改編を進めてきた。その基本構想は、(1)共産圏諸国封じ込めのため、その周囲に配置した米軍兵力は時代遅れ、(2)師団(約2万人)ではなく旅団(約4000人)を戦闘単位とし、小型軽量の部隊を急速に展開できるようにする、(3)ITを全面的に活用し、情報収集と命中精度を飛躍的に向上させ、重い砲を減らす、(4)テロ活動と大量破壊兵器の拡散が米国への脅威で、それへの対応に力点を置く、などだ。その効果はイラク攻撃での急速な部隊派遣、首都への快進撃で示されたが、ゲリラ戦になるとITも役立たず、13万人以上の兵力をくぎ付けにされ、部隊の交代に苦労している。このためドイツ駐屯の第7軍司令部を廃止、2個師団も撤退させ、韓国の第8軍司令部も廃止。両国には各1個旅団を残す。日本でも、(1)沖縄の第3海兵遠征軍司令部、第3海兵師団など8000人をグアムに移転、(2)在韓国の第8軍司令部を廃止する代わりに、小型(約300人)の第1軍団司令部を米ワシントン州から神奈川県の座間に移転、が再編の主体だ。本来は米軍再編とは無関係だが、日本側が要望していた沖縄の米海兵隊普天間飛行場の辺野古崎付近への移設、神奈川厚木基地の米空母搭載機を沖合に移設する岩国基地に移駐、も日米合意に取り込まれた。沖縄に1万2500人いる米海兵隊のうち8000人が去り、空軍嘉手納基地より南の米軍基地がすべて返還され、補給部隊も去って、米軍が沖縄を戦略拠点として使う意思を捨てることは、沖縄にとって歓迎すべき事態だが、グアムへの移転経費60.9億ドル(約7000億円)は日本の負担だ。この他に普天間基地の移設、岩国への移転などに「約2兆円がかかる」と日米交渉で日本側は発言。米国防副次官R・ローレスは、これを足して「日本が260億ドル(約3兆円)を負担する」と記者会見で語った。今回の米軍再編の本質は「極東・欧州離れ、中東シフト」だ。海兵隊をインド洋方面に出動しやすいグアムに移すため、日本は高い立ち退き料を支払うことになった。

(田岡俊次 軍事ジャーナリスト / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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