旅団(読み)リョダン(その他表記)brigade

翻訳|brigade

デジタル大辞泉 「旅団」の意味・読み・例文・類語

りょ‐だん【旅団】

陸軍部隊編制単位の一。一般に、師団連隊との中間に位置する。

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精選版 日本国語大辞典 「旅団」の意味・読み・例文・類語

りょ‐だん【旅団】

  1. 〘 名詞 〙 陸軍の部隊編制上の一単位。師団と連隊の中間にあるもの。二個ないし四個旅団で師団を構成する。旧日本陸軍では、二個あるいは四個の連隊で組織され、歩兵旅団、騎兵旅団、野砲兵旅団、重砲兵旅団などがあった。
    1. [初出の実例]「西南戦争中、各旅団間の急報は軍用電信の掌どる所なりしと雖ども」(出典:朝野新聞‐明治一一年(1878)八月一五日)

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改訂新版 世界大百科事典 「旅団」の意味・わかりやすい解説

旅団 (りょだん)
brigade

師団と連隊または大隊の中間に位置する諸兵種連合の作戦部隊。前5~前4世紀ころローマに〈一つの戦場における一つの戦闘単位〉として徒歩・騎馬兵による約5000名の編成が出現した。これが後世の旅団に相当する。現在多くの国で旅団は師団内旅団または独立旅団として一正面の作戦を担任するように地位づけられ,准将または少将が指揮している。旅団は作戦の必要に応じ旅団司令部に適宜数個の大隊等を配属して編成する方式と,数個の大隊等を固定的に隷下に保有させる方式があるが,国によって差異がある。旧日本陸軍においては,1877年の西南戦役において各鎮台の一部をもって旅団を初めて編成し,85年これを制度化した。陸上自衛隊には旅団はないが,これに相当する混成団,特科団,空挺団等各種の〈団〉がある。このうち混成団は師団よりも小型であるが,師団と同様に各種の陸上戦闘機能をもっている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「旅団」の意味・わかりやすい解説

旅団
りょだん
brigade

陸軍編制上の一単位で、一般に師団と連隊の中間に位置する部隊。陸上自衛隊では旅団、団、混成団がほぼ同格の組織である。通常、少将(陸将補)か准将、大佐によって指揮される。近年、かつての師団―旅団―連隊―大隊―中隊から、師団―旅団―大隊―中隊や師団―連隊―中隊、旅団―連隊―中隊、旅団―大隊―中隊などと結節を減らす編制が多い。歩兵旅団、砲兵(特科)旅団、戦車旅団、工兵(施設)旅団、空挺(くうてい)旅団などがある。陸上自衛隊は1996年度(平成8年度)以降、適齢人口減など冷戦後の防衛力見直しにより、1個機甲師団・1個空挺団・1個ヘリコプター団基幹の機動運用部隊の体制は維持しつつ、12個師団・2個混成団(沖縄と四国)基幹の平時地域配備部隊の体制は8個師団・6個旅団基幹の新体制へと逐次移行している。一部の空中機動性を高めた旅団を含め、新しい改編旅団は、方面隊の下で、師団に準ずる諸職種連合の作戦部隊である。

[中山敏雄]

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百科事典マイペディア 「旅団」の意味・わかりやすい解説

旅団【りょだん】

陸軍の部隊の単位の一つ。師団連隊の中間の単位。旅団の名称古くからあったが,近代軍隊においては戦闘の規模が大きくなるとともに,戦略単位である師団と,戦術単位である連隊との中間の指揮機関として編制された。第2次大戦期に戦争様式や師団編制の変化に伴い多くの国で旅団は廃止された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「旅団」の意味・わかりやすい解説

旅団
りょだん
brigade

師団連隊の中間に位置し,戦術単位としては最大の部隊。戦時には2~3個連隊で編制することが多い。したがってその兵員数,包含される兵科は,そのときの戦況や各国の事情,時代によって異なる。旧日本陸軍では,兵員数 5000~7000を少将が,イギリス,アメリカでは准将が指揮することになっていた。現在の自衛隊では旅団に該当する編制はとられていない。

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世界大百科事典(旧版)内の旅団の言及

【軍隊】より

…師団は歩兵(狙撃),戦車,機械化,空挺等の種類があり,山岳師団をもつ国もある。国によっては,師団を小型にした旅団をもって基本作戦部隊としているところもある。大軍では,2~5師団をあわせて軍団を,さらに2~5軍団で軍を編成する。…

※「旅団」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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