翻訳|brigade
師団と連隊または大隊の中間に位置する諸兵種連合の作戦部隊。前5~前4世紀ころローマに〈一つの戦場における一つの戦闘単位〉として徒歩・騎馬兵による約5000名の編成が出現した。これが後世の旅団に相当する。現在多くの国で旅団は師団内旅団または独立旅団として一正面の作戦を担任するように地位づけられ,准将または少将が指揮している。旅団は作戦の必要に応じ旅団司令部に適宜数個の大隊等を配属して編成する方式と,数個の大隊等を固定的に隷下に保有させる方式があるが,国によって差異がある。旧日本陸軍においては,1877年の西南戦役において各鎮台の一部をもって旅団を初めて編成し,85年これを制度化した。陸上自衛隊には旅団はないが,これに相当する混成団,特科団,空挺団等各種の〈団〉がある。このうち混成団は師団よりも小型であるが,師団と同様に各種の陸上戦闘機能をもっている。
執筆者:橋口 茂
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陸軍編制上の一単位で、一般に師団と連隊の中間に位置する部隊。陸上自衛隊では旅団、団、混成団がほぼ同格の組織である。通常、少将(陸将補)か准将、大佐によって指揮される。近年、かつての師団―旅団―連隊―大隊―中隊から、師団―旅団―大隊―中隊や師団―連隊―中隊、旅団―連隊―中隊、旅団―大隊―中隊などと結節を減らす編制が多い。歩兵旅団、砲兵(特科)旅団、戦車旅団、工兵(施設)旅団、空挺(くうてい)旅団などがある。陸上自衛隊は1996年度(平成8年度)以降、適齢人口減など冷戦後の防衛力見直しにより、1個機甲師団・1個空挺団・1個ヘリコプター団基幹の機動運用部隊の体制は維持しつつ、12個師団・2個混成団(沖縄と四国)基幹の平時地域配備部隊の体制は8個師団・6個旅団基幹の新体制へと逐次移行している。一部の空中機動性を高めた旅団を含め、新しい改編旅団は、方面隊の下で、師団に準ずる諸職種連合の作戦部隊である。
[中山敏雄]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…師団は歩兵(狙撃),戦車,機械化,空挺等の種類があり,山岳師団をもつ国もある。国によっては,師団を小型にした旅団をもって基本作戦部隊としているところもある。大軍では,2~5師団をあわせて軍団を,さらに2~5軍団で軍を編成する。…
※「旅団」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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