粟根村
あわねむら
[現在地名]福山市加茂町粟根
加茂谷の奥に位置し、北は北山村、東は三谷村(現深安郡神辺町)、西は百谷村、南は芦原村。加茂川が貫流し、その川岸にわずかに平野があるが、三方を山に囲まれた谷村である。古くより開発が進んだ様子で、下講地より弥生時代の土器や石斧が出土。古墳も土井に四基の横穴式石室を有する円墳がある。青塚には二基の巨大な横穴式古墳があり、その他貞久・天満などから須恵器が出土しているが、いずれも古墳があったものと思われる。
元和五年(一六一九)の備後国知行帳によれば高五七一石余、福山藩水野家断絶後、加茂川の西岸地域は幕府領となり、東半分のみ福山藩領として残った。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報