精包(読み)セイホウ

デジタル大辞泉 「精包」の意味・読み・例文・類語

せい‐ほう〔‐ハウ〕【精包】

渦虫類ヒル類や頭足類有尾類ダニ類・昆虫類の一部の雄がもつ、生殖器の付属腺の分泌物からつくられたさや。中に精子を入れ、これを雌に渡して受精を行う。精球精莢せいきょう

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精選版 日本国語大辞典 「精包」の意味・読み・例文・類語

せい‐ほう‥ハウ【精包】

  1. 〘 名詞 〙 外部生殖器未発達動物の雄が多数の精子を包むためにつくる管状のもの。有尾両生類、頭足類、腹足類などにみられ、雌が精包を受けとって受精を行なう。精莢(せいきょう)

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世界大百科事典(旧版)内の精包の言及

【交尾】より

…雌雄同体のものではこの両者を備え,さらに受精囊へ直接通じる交尾孔が開口しているものもある。頭足類では,ふつう腕の1本が変形して交接腕となり,貯精囊の中で作られる精子を入れた精包を雌の外套腔(がいとうこう)内に移し入れる。そのとき腕の一部も切れて精包を保持するものもある。…

【サソリ(蠍)】より


[生態]
 サソリの婚姻ダンスは有名で,雌雄が向かい合って鋏角(きようかく)と鋏角,触肢と触肢,高々と上げた尾と尾を互いにからませ,1~24時間も踊る。やがて雄は精包(精子の入った袋)を地上に置き,後退して雌をその上に導き,雌は生殖口を開いて精包を体内に取りこむ。受精卵は母体内で活発な幼虫にまで発育してから生まれてくる。…

※「精包」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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