糠袋(読み)ヌカブクロ

デジタル大辞泉 「糠袋」の意味・読み・例文・類語

ぬか‐ぶくろ【×糠袋】

糠を入れた布袋。肌を洗うのに用いる。また、木の艶出しなどにも用いる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「糠袋」の意味・読み・例文・類語

ぬか‐ぶくろ【糠袋】

  1. 糠袋〈歌麿画娘日時計〉
    糠袋〈歌麿画娘日時計〉
  2. 〘 名詞 〙 糠を入れた布袋。肌(はだ)を洗うのに用いた。
    1. [初出の実例]「ながれはすねのあとをもはぢぬ臍(へそ)のあたりの垢かき流し、なをそれよりそこらも糠袋(ヌカフクロ)にみだれて」(出典浮世草子好色一代男(1682)一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「糠袋」の意味・わかりやすい解説

糠袋
ぬかぶくろ

米を精白する際にできた米糠小袋に入れた化粧具。小袋は10センチメートル内外の長方形のもので、米糠を入れ、口の両端に渡した糸紐(いとひも)で口を締めてから湯に浸し、顔や体を洗う。せっけんのない時代はもとより、明治になってせっけんが出回ってからも、糠袋を用いる習慣は引き続き、だいたい大正時代まで続いた。糠袋をもみじ袋ともいうのは、袋が緋(ひ)の紅絹(もみ)でつくられたことによる。

[遠藤 武]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の糠袋の言及

【クリーム】より

…日本にクリームが入ってきたのは1886年ごろからである。それまではクリームの代りに,米ぬかを布袋に入れたぬか袋が使われていた。1909年以降,国産のクリームが量産されるようになり,需要も種類もふえていった。…

【ぬか(糠)】より

…【竹生 新治郎】
[利用]
 脂質,ビタミンB1,ビタミンEなどに富み,ビタミン剤などの原料とされる。また,ぬかを布袋に詰めたぬか袋は,女性の入浴にはかかせぬものであった。調理上では,あく抜き,漬物,煮物などに用いられる。…

※「糠袋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android