糸筋(読み)イトスジ

デジタル大辞泉 「糸筋」の意味・読み・例文・類語

いと‐すじ〔‐すぢ〕【糸筋】

糸の筋。糸。また、糸のように細く長いもの。「糸筋ほどの光」「涙の糸筋
物事筋道
事柄経過の―を整理しているらしいのである」〈鴎外青年
琴や三味線などの弦。
「―ならして、恋慕の詩をうたへる事」〈浮・一代女・一〉

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精選版 日本国語大辞典 「糸筋」の意味・読み・例文・類語

いと‐すじ‥すぢ【糸筋】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 糸のすじ。糸。
    1. [初出の実例]「秋の野に置く白露は珠なれや貫きかくるくものいとすぢ〈文屋朝康〉」(出典:古今和歌集(905‐914)秋上・二二五)
  3. 糸のように細く長い物にいう。
    1. [初出の実例]「春雨の糸すぢよわみおりいでて花の錦を染むるぬれ色」(出典:按納言集(1186‐87頃))
  4. 琴、三味線の弦。
    1. [初出の実例]「のとのあやつりはしまらぬ内 糸筋は上から下へ龍かしら」(出典:俳諧・独吟一日千句(1675)第九)
  5. 物事がたどる過程。すじみち。
    1. [初出の実例]「思案の糸筋が乱(もつ)れ出し」(出典浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)

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