化学辞典 第2版 「紫外可視分光光度計」の解説
紫外可視分光光度計
シガイカシブンコウコウドケイ
ultraviolet-visible spectrophotometer
紫外可視分光光電光度計ともいう.紫外部,および可視部の単色光を使用し,試料物質の分光吸収の相対強度を測定する機器.紫外部の光源としては水素放電管,あるいは水銀灯が用いられ,可視部には一般に強力なタングステンランプが用いられる.単色光を取り出すにはプリズム式モノクロメーターを用いる.測光装置は光電子増倍管が主体となっている.光電管は投入された光の強さに比例した光電流を生じ,これを電流計によって読みとる.モノクロメーターを出る単色光による電流は 10-11 A 程度のもので,これをメーターにかけるため,十分な増幅を行うようになっている.紫外分光は有機化合物の構造決定,錯塩研究などに用いられ,可視部分光は一般の比色分析として水溶液中のイオンの定量に用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報