被検物質の色の濃さを標準物質のそれと肉眼で比較して、その中に含まれている成分の濃度を決定する定量分析法。固体または気体の色調を利用することもあるが、溶液を用いるのが普通である。試験管に分取した試料溶液を、それと同じ組成をもった標準試料と比較する単純な方法から発展し、比色計や光度計の発明を経て、現在では光電管のような光電変換素子を使い、溶液中を透過してきた光の強さを、光電流として読み取ることのできる各種の分光光度計を使った、いわゆる吸光光度法まで進んできて、現在ではこれらの方法をも含んで比色分析とよばれるようになっている。
光が溶液を透過したときの光の吸収の程度と試料溶液中に含まれている目的成分の濃度との間には一定の関係があることがわかっているので、これによって成分の濃度が求められる。また、特定の波長の光が吸収される波長を調べて定性分析を行う。各種の微量成分の分析法として、また分子構造の解析などにも広く用いられている。光電比色計、光電光度計、光電分光光度計などとよばれる装置が数多く市販されている。
[高田健夫]
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試料物質の透過光あるいは反射光により色の濃さを測定し,標準液と比較することによって着色化学種の濃度を分析する方法.
(1)目視法:肉眼で色の濃さを比較する方法.これは標準濃度のものと比較して定量を行う.
(2)光電比色法:光電比色計を用い,単色光に近い光を溶液に照射し,その透過度から定量する.
また,吸光光度計を用いる光吸収分析と同義語として用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…一般的には赤外部は物質の同定に,可視・紫外部は物質の定量に利用されることが多い。可視部の吸光光度法は比色法または比色分析colorimetric analysisとも呼ばれるが,これは歴史的に肉眼で吸収強度を比較していたことに由来する。 物質の定量に際しては,測定される物質に固有の波長を設定し,この波長における吸光度Aを求める。…
※「比色分析」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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