紫苑・紫菀(読み)しおん

大辞林 第三版の解説

しおん【紫苑・紫菀】

キク科の多年草。日本・朝鮮・中国・シベリアに分布。観賞用に栽植もされる。茎は高さ約2メートルになり、広披針形の葉を互生。秋、茎頂が分枝し、淡紫色の頭花を多数つける。根を鎮咳ちんがい・去痰薬とする。鬼の醜草しこぐさ[季] 秋。
かさねの色目の名。表は薄紫、裏は青。また、表は紫、裏は蘇芳すおう。秋に着用。

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精選版 日本国語大辞典の解説

し‐おに ‥ヲニ【紫苑・紫菀】

〘名〙 (「おん(苑)」の韻尾の n を「に」で表記したもの) =しおん(紫苑)
古今(905‐914)物名・四四一「しをに ふりはへていざふるさとの花みんとこしをにほひぞうつろひにける〈よみ人しらず〉」

し‐おん ‥ヲン【紫苑・紫菀】

〘名〙
キク科多年草シベリア・モンゴル・中国・朝鮮などに分布。日本では中国地方と九州の山地の草原に自生。高さ一~二メートル。根ぎわに束生する葉は長楕円形で基部は柄に流れ、長さ約三〇センチメートル、茎につく葉は上部へ行くに従って無柄となり、披針形から線形となる。いずれもまばらに粗毛があり、縁に鋭い鋸歯(きょし)がある。茎は上部で多く分枝して、秋に、径約三センチメートルの淡紫色の頭花を多数つける。中心の管状花は黄色。冠毛は白色。根を煎(せん)じて鎮咳(ちんがい)薬に用いる。おにのしこぐさ。おもいぐさ。しおに。《季・秋》
俊頼髄脳(1115頃)「紫苑といへる草こそ心におぼゆる事は忘られざなれとて、紫苑を塚のほとりに植ゑてみければ」
※枕(10C終)一四三「八九人ばかり、朽葉の唐衣、薄色の裳に、しをん、萩など、をかしうて居並(ゐな)みたりつるかな」

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