デジタル大辞泉
                            「薄色」の意味・読み・例文・類語
                    
                
		
    
        
    出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
	
    
  
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                    うす‐いろ【薄色】
        
              
                        - 〘 名詞 〙
- ① 染色の名称。薄紫色、または、二藍(ふたあい)の色の薄いもの。- [初出の実例]「うすいろなるうすものの裳(も)をひきかくれば」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
 
- ② 織り色の名称。経(たていと)を紫、緯(よこいと)を白で織ったもの。緯白(ぬきじろ)。- [初出の実例]「童べは、〈略〉赤色に桜の汗衫(かざみ)、うすいろの織物の袙(あこめ)」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜下)
 
- ③ 襲(かさね)の色目の名称。表は赤みを帯びた薄縹(うすはなだ)色、裏は薄紫色または白。- [初出の実例]「萌黄(もえぎ)蘇芳(すはう)山吹の濃き薄き、紅梅うす色など」(出典:紫式部日記(1010頃か)寛弘六年正月三日)
 
- ④ 薄い色。あまり強くなく、また、濃くもない色(日葡辞書(1603‐04))。- [初出の実例]「藤波にうす色いづれ夏木立」(出典:春夢草(1515‐16)発句)
 
- ⑤ 江戸時代、吉原などの高級遊女の愛用した刻みタバコ。- [初出の実例]「たばこ入からうすいろすいつけて出す」(出典:洒落本・取組手鑑(1793))
 
- ⑥ 花の色が淡紅色の椿。また、その花のような色。- [初出の実例]「花瓶とうす色をうちわに入て持出て」(出典:宗湛日記‐天正一五年(1587)三月六日)
 
 
    
        
    出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
	
    
  
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                    うすいろ【薄色】
        
              
                        色名の一つ。浅紫うすむらさきともいう。薄く、ややくすんだ紫色のこと。平安時代には紫系統の色が好まれ、最高位は深紫であった。薄色はそれに次ぐ序列の色。8世紀に施行された養老令の規定では、朝廷への出仕に着用する朝服ちょうふくの二位、三位の色とされる。一位の色が深紫。基本的に染色の色をさすが、縦糸を紫、横糸を白で織った織り色をいう場合もある。また、襲の色目の名でもあり、表が薄い紫、裏は表より少し濃いめの薄紫、または白のこと。
                                                          
     
    
        
    出典 講談社色名がわかる辞典について 情報
	
    
  
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                    薄色
うすいろ
        
              
                        (1)濃い色に対して淡い色のこと。(2)平安時代以降公家(くげ)の染織では、紫色の薄い色に限って、「薄色」とよんだ。織色(織物の経糸(たていと)と緯糸(よこいと)の色の組合せ)で表す襲(かさね)色目では、経が紫、緯が白。衣服の表地と裏地の襲ね色目では、表が薄色、裏が薄色または白の組合せであった。『枕草子(まくらのそうし)』に「女の表着(うわぎ)は、薄色、葡萄(えび)染、萌黄(もえぎ)、桜、紅梅」、『源氏物語』(若菜下)には「童(わら)べはかたちすぐれたる四人赤色に桜の汗衫(かざみ)、薄色の織物の衵(あこめ)、浮文のうへの袴(はかま)」とある。ただし、紅(くれない)色の薄い色も「薄色」とする説もある。
[高田倭男]
                                                          
     
    
        
    出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
	
    
  
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		世界大百科事典(旧版)内の薄色の言及
    		
      【染色】より
        
          
      …しかし,前代盛んであった茜染は廃れ,その代り紅染が盛行し,その濃色は禁色とされた。また紫の染色は,紫根の染法や発色にむずかしさがあったせいか,《延喜式》にはみられぬ藍と紅との交染による二藍(ふたあい)という色相を生じ,紫系統の色は二藍,蒲萄色,桔梗(ききよう),濃(こき)色,薄(うすき)色などと呼ばれるようになった。濃色ははじめ濃紅を指したが,12世紀ころから濃紫を意味するようになり,薄色は薄紫を示すに至った。…
      
     
         ※「薄色」について言及している用語解説の一部を掲載しています。 
        
    出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
	
    
  
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