細水(読み)サザレミズ

デジタル大辞泉 「細水」の意味・読み・例文・類語

さざれ‐みず〔‐みづ〕【細水】

さらさらと音を立てて流れる水。
「いつとなくしほたれ山の―暮れ行くままに音そへつなり」〈散木集・八〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「細水」の意味・読み・例文・類語

さざれ‐みず‥みづ【細水】

  1. 〘 名詞 〙
  2. さらさらと音をたてて流れる小さな流水ささらみず。
    1. [初出の実例]「いつとなくしほたれ山のさざれみづくれ行くままに音そへつ也」(出典:散木奇歌集(1128頃)恋下)
  3. 序詞末尾に用いて、音をたてて流れるところから「あなかま」に、浅く流れるところから「あさ(浅)」に、木の葉の下を隠見して流れるところから「下にかよふ」「あらはる」などに続く。
    1. [初出の実例]「かしがまし山の下行くさざれ水あなかま我も思ふ心あり〈よみ人しらず〉」(出典:金葉和歌集(1124‐27)恋下・五〇二)

ささ‐みず‥みづ【細水】

  1. 〘 名詞 〙 わずかな水。また、少しの水のたまっているところで、小さな沼などをいう。
    1. [初出の実例]「ささみづにすがきさぼせり春ごとにえりさす民のしわざなるべし」(出典:為相本曾丹集(11C初か))

ささら‐みず‥みづ【細水】

  1. 〘 名詞 〙 さらさらと音をたてて流れる小さな流水。さざれみず。
    1. [初出の実例]「音なしの山の下行くささら水あなかまわれも思ふこころあり」(出典:古今和歌六帖(976‐987頃)三)

ほそ‐みず‥みづ【細水】

  1. 〘 名詞 〙 ほそく流れる水。小さい川。
    1. [初出の実例]「吹く風に小萩が露の散るままにいでそひにける谷のほそ水〈藤原能盛〉」(出典:月詣(1182‐83)七)

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