経営教育(読み)けいえいきょういく(英語表記)management education

日本大百科全書(ニッポニカ) 「経営教育」の意味・わかりやすい解説

経営教育
けいえいきょういく
management education

経営がその構成員の能力啓発を目的として行う教育を総称する。経営教育は、経営成果の向上を直接の理由にしているが、それだけではなく、人生の大部分を経営内で生活する構成員に対し自己充実の機会を与えるという社会的要請にも結び付いている。

 経営教育はいろいろな角度から分類され、体系化されている。まず内容の面から、技能教育、リーダーシップ教育、スタッフ教育、新入社員教育、人づくり教育などに分けられる。技能教育は職業訓練とよばれてきたもので、各種業務の遂行に必要な技能を教育する。リーダーシップ教育は、階層に応じた経営管理者の指導性の教育であり、定型的なものとしては、上層から、EDP(executive development program)、MTP(management training program)、TWI(training within industry)などがある。狭義の経営教育はリーダーシップ教育のみをさす。スタッフ教育は管理技術を、人づくり教育は教養を主として教育する。各種経営教育は、その内容が一定のコースに編成されているか否かによって、定型的経営教育と非定型的経営教育に大別される。前出のMTPやTWIは定型的経営教育の代表的なものである。さらに各種経営教育は、それが行われる場所によって、職場内経営教育すなわちOJT(on-the-job-training)と、職場外経営教育すなわちOffJT(off-the-job-training)に分けられる。OJTは、被教育者である従業員職務に従事しながら管理者や先輩従業員による教育を受けるものである。このほかの分け方としては、社内教育と社外教育(社外機関による講習会などによる教育)、集合教育と個別教育などがある。また教育の技法としては、講義方式、事例研究、ロール・プレイング(役割演技法)、ブレーン・ストーミング(アイデアを展開する討論方式)、ビジネス・ゲーム(競争状態を再現して優劣を競うゲーム)などがある。

[森本三男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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