デジタル大辞泉 「結ぼほる」の意味・読み・例文・類語 むすぼお・る〔むすぼほる〕【結ぼほる】 [動ラ下二]「むすぼれる」に同じ。「ほのめかす風につけても下荻のなかばは霜に―・れつつ」〈源・夕顔〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「結ぼほる」の意味・読み・例文・類語 むすぼお・るむすぼほる【結】 [ 1 ] 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙① 細長いものが結び合わせられて解きにくくなる。からみあってほどけなくなる。[初出の実例]「花咲かぬ枝にも蝶はむつれけり柳の糸もむすぼほるらし」(出典:宇津保物語(970‐999頃)春日詣)② 狭まったり細まったりする。炎や煙が細まる。[初出の実例]「いまはとて燃えむけぶりもむすぼほれ絶えぬ思ひのなほや残らむ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)柏木)③ 固まって形になる。露・霜や氷などが凝固、凝結する。[初出の実例]「ほのめかす風につけてもした荻のなかばは霜にむすぼほれつつ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)④ 夢として形となって現われる。[初出の実例]「とけて寝ぬねざめさびしき冬の夜にむすぼほれつる夢のみじかさ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)朝顔)⑤ 心が鬱屈(うっくつ)して晴ればれしなくなる。気持が発散せず憂鬱になる。気がめいる。気づまりとなる。[初出の実例]「春くれば柳の糸もとけにけりむすぼほれたるわが心哉〈よみ人しらず〉」(出典:拾遺和歌集(1005‐07頃か)恋三・八一四)⑥ 特定の人とつながりを持つ。関係を結ぶ。縁故をつける。[初出の実例]「かかりしかば、いかなる人も相構て其ゆかりにむすぼほれむとぞしける」(出典:平家物語(13C前)一)[ 2 ] 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 [ 一 ]に同じ。[初出の実例]「世尊の筋脈(すぢのみち)は盤結(ムスホホリ)て堅固にして深く隠れて現はにあらず」(出典:彌勒上生経賛平安初期点(850頃)) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例