気体,溶液,融体,非晶固体などの無秩序な状態(非晶相)から秩序性のある結晶相に一次相転移する現象.無秩序相から結晶が形成(結晶化)するには,まず核形成が起こり(一次核形成),この核の上に結晶核が形成(二次核形成)され結晶が成長する.結晶が形成されるには,過飽和,過冷却などによる駆動力が必要である.融体から一次核が形成される速度Iは,分子や原子の拡散に必要な活性化エネルギーΔ Eiと臨界核を形成するのに必要なエネルギーΔ Fiの二つの項で表される.
ここで,I0 は温度にあまり依存しない定数,Rは気体定数,Tは温度,Δ Fiは形成される結晶核の表面自由エネルギーや過冷却度
(ΔT = Tm - T;Tm は結晶の融点)
の関数で表される.一次核形成には,母相の融体から直接三次元的核が形成される(均一核形成)場合と,母相にある異種物質や不純物などの表面に原子,分子が付着して核形成される(不均一核形成)場合がある.結晶が成長するには,まず一次核の結晶表面に臨界核が形成(二次核形成,または表面核形成)され,結晶成長面にそって成長が起こる(沿面成長),引き続き結晶成長面に臨界核が形成されて順次,沿面成長が起こり,結晶界面が前進していくことで結晶は成長する.結晶成長速度Gは,分子の拡散に必要な活性化エネルギーΔ Egと,結晶成長面における核形成(二次核)エネルギーΔ Fgの二つの項で表される.
ここで,G0 は温度に依存しない定数,Rは気体定数,Tは結晶化温度,Δ Fgは形成される結晶核の表面自由エネルギーや過冷却度の関数で表される.結晶成長速度は,融点に近い高温付近では核形成が遅く(核形成律速),ガラス転移温度に近い低温付近では分子の拡散が困難(拡散律速)で,これらの温度依存性が逆であることから,ある中間の温度で結晶成長速度は極大を示す.試料をある温度で等温結晶化させ,この結晶化過程の動力学的研究において,試料全体(体積)が結晶化時間の経過により変化していく結晶の割合Xは,一般にアブラミ式で解析できる.
X = 1 - exp(- ktn)
ここで,kは速度定数で,核発生速度Iと結晶成長速度Gの関数であり,nはアブラミ指数とよばれており,核の発生様式(均一,不均一),結晶の成長次元(一~三次元)によって異なる値をとる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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