日本歴史地名大系 「結石山城跡」の解説 結石山城跡ゆうしやまじようあと 長崎県:上県郡上対馬町河内村結石山城跡[現在地名]上対馬町河内河内(かわち)の西にそびえる急峻な結石山(一八三メートル)に築かれた城の跡。「万葉集」巻五に帥大伴旅人が藤原房前に日本琴を贈った際の歌の題に「梧桐の日本琴一面、対馬結石山の桐の孫枝なり」とみえる。山麓の民家に古井戸があり、桐の欄をもって囲っていたという所伝がある(津島紀事)。浦を挟んで結石山と撃方(うつかた)山が相対し、古代に烽・防人が置かれたという(津島紀略・津島紀事)。「津島紀略」に由比以志の訓があり、頂上部は平地で、石壁を巡らすと記される。しかし烽の遺構とみられるものは確認されず、稜線に沿って段状に造作したとみられる跡や、崩壊した石垣などがあることから山城跡と考えられる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by