結集政策(読み)けっしゅうせいさく(その他表記)Sammlungspolitik ドイツ語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「結集政策」の意味・わかりやすい解説

結集政策
けっしゅうせいさく
Sammlungspolitik ドイツ語

ウィルヘルム2世(在位1888~1918)時代のドイツで、保守勢力を結集するため政府が打ち出した政策。ビスマルクがつくったドイツ帝国では、地主貴族ユンカー新興の大資本家がともに支配階級であったが、両者間に利害対立があり、帝国の内政動揺が絶えなかった。また、19世紀から20世紀への世紀の変わり目、国内での社会民主党の躍進、国外での世界政策の展開に備えて、支配階級の結束を図る必要が増した。このため、ビューローら政府首脳は、結集政策を推進し、1897年以降の海軍大増強、1902年の穀物関税大幅引上げ、国民の愛国心を高める積極的な世界政策の三つを柱に、国民諸階層、とくに支配層の結束を図って、一時的にせよその体制を安定させることに成功した。

[木谷 勤]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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