フランスの社会主義政党。多くの党派と無所属組織とが分立抗争していたフランス社会主義運動は,政界において公認された一勢力となりはじめた1890年代から,統一組織形成への模索が積極的になった。だが,いわゆる革命派と改良派の対立は根深く,繰り返された試行は困難をきわめた。世紀末のミルラン入閣問題などを機に,ゲード派とブランキ派の合同した党と,ジョレス派とアルマーヌ派の党とに運動は二分された。しかし国内労働運動組織の統一と労働者闘争の激化,戦争の脅威の高まりを背景に,第二インターナショナル内部でのジョレスとバイヤンの協力,またドイツ社会民主党指導部による調停などに基づき,1904年第二インター・アムステルダム大会でなされた統一化決議をうけて,05年統一社会党が第二インター・フランス支部として発足した。翌年の総選挙では約90万票,54議席を得,20年に共産党が分裂して離れたとはいえ,フランス政治における左翼の第一勢力となった。その後の経過と現在の同名の党については,〈フランス社会党〉の項を参照されたい。
執筆者:福井 憲彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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