続松(読み)ツイマツ

デジタル大辞泉 「続松」の意味・読み・例文・類語

つい‐まつ【続松】

《「つぎまつ」の音変化》
たいまつ
「その杯の皿に、―の炭して、歌の末を書きつぐ」〈伊勢・六九〉
斎宮上の句在原業平がたいまつの炭で下の句を書きつけたという伊勢物語故事から》和歌の上の句と下の句を取り合わせる遊び。歌ガルタ歌貝など。

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精選版 日本国語大辞典 「続松」の意味・読み・例文・類語

つい‐まつ【続松】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「つぎまつ(継松)」の変化した語 )
  2. 松明(たいまつ)のこと。
    1. [初出の実例]「その杯の皿に、ついまつの炭して歌の末をかきつぐ」(出典:伊勢物語(10C前)六九)
  3. ( 斎宮が杯に歌の上(かみ)の句を書いて出したのに対して、在原業平が、続松(ついまつ)の炭を用いて下の句を続けて書いたという「伊勢物語」の故事から ) 歌ガルタ、歌貝などの、和歌の上の句と下の句とをとり合わせる遊戯。特に歌ガルタの場合が多い。続松草(ついまつぐさ)
    1. [初出の実例]「続松(ツイマツ)うたがるたの事也」(出典評判記色道大鏡(1678)七)
    2. 「お慰みに琴の組でも続松(ツイマツ)でも始め」(出典:浄瑠璃・本朝二十四孝(1766)一)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「続松」の解説

続松 (ツギマツ)

植物。トクサ科の多年草,園芸植物,薬用植物スギナ別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の続松の言及

【たいまつ(松明)】より

…松を灯火に用いるには,〈ひで〉(根の脂の多い部分)をこまかく割って台の上で燃やすことが,近年まで日本の山村や中国の一部で行われており,松脂をこねて棒にした〈松脂ろうそく〉も用いられていた。平安時代の物語などにみえる〈ついまつ(続松)〉はこの松脂ろうそくのことと思われ,〈たいまつ〉は主として屋外用に,〈ついまつ〉は屋内用に併用されていたようである。中国では古くたいまつの材料には葦が使われることが多かったようで,《正字通》に〈滇人(てんじん)(滇は雲南省)松心をもって炬(きよ)となし,号して松明という〉とあり,《燕間録》に〈深山老松の心,油あること蠟(ろう)のごとし。…

【歌がるた】より

…これら歌がるたの中で,《小倉百人一首》だけが普及して今日まで残り,広く愛好されている。なお,江戸時代に歌がるたのことを一部で歌貝,続松(ついまつ)などと呼んだこともあるが,これは,賭博(とばく)かるたと同一視されるのをきらったためで,定着せずに終わったようである。続松とは松明(たいまつ)のことで,《伊勢物語》の中の,女がよせた歌の上の句に,男が答えて,続松の炭で下の句を書き加えた故事によるものとされている。…

※「続松」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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