朝日日本歴史人物事典 「綾小路敦有」の解説
綾小路敦有
生年:元亨3(1323)
鎌倉時代末期から室町時代にかけての神楽歌,朗詠,催馬楽,披講など宮廷歌曲(郢曲)の伝承者。清暑堂御神楽や御会始の御遊では,付歌や笙の役を勤める。崇光上皇の勅命により,永和1/天授1(1375)年『郢曲相承次第』を著す。これは敦実親王(893~967)を祖とし,父有頼(1295~1329)に至る12名の源家流綾小路家郢曲の師資相承の次第と系譜を記録したもの。他流の藤家流との歌い方の異同についても言及しており,互いに名誉をかけて技を競ったことが偲ばれる。ほかに『和琴血脈』『神楽血脈』も著す。なお生年には元亨2(1322)年説もある。<参考文献>『続群書類従 管絃部』
(蒲生美津子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報