綿業(読み)めんぎょう

百科事典マイペディア 「綿業」の意味・わかりやすい解説

綿業【めんぎょう】

綿紡績綿織物の両部門の総称各国とも工場制大工業は綿業から出発し,資本主義の成立と発展はこれに主導された。日本でも1880年ごろの官営工場とその払下げ大阪紡績会社の設立などに始まり,19世紀末,綿糸輸出が輸入を越えるに至って確立をみたとされる綿業が,第2次大戦前の産業発展の主軸であった。戦後,十大紡のほか新紡,新々紡なども生まれたが,合成繊維伸長と急速な重化学工業化により,その比重を減らした。しかし大企業は羊毛化学繊維織布などを兼営し,引き続き繊維工業の中心的地位を占めている。
→関連項目紡績業

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の綿業の言及

【産業革命】より

経済発展
【イギリス産業革命】

[前提]
 産業革命の概念そのものが多様なだけに,その始期と終期についても見解は必ずしも一定していない。かつては,綿業における重要な発明の時期などを手がかりに,漠然と1760年代から19世紀前半くらいに措定されていたが,始期については,人口増加や1人当り所得の成長の起点との関係で,1740年代説や80年代説が出されたし,その終期についても,新たな技術体系の一応の完成を意味する機械工業の確立――機械そのものの機械による生産――や産業資本主義の確立を意味する資本制恐慌の始期(1848)などが提唱されている。 いずれにせよ,18世紀のイギリスで最初の産業革命が起こったのだとすれば,その前提条件は何だったのか。…

※「綿業」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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