きんなら【緊那羅】
(
Kiṃnara の
音訳) 仏法守護の
八部衆の
一つ。
歌舞をもって
帝釈天(たいしゃくてん)に仕えるもの。形は人頭鳥身、あるいは馬首人身などがあり、
両手で鼓
(つづみ)を打つ姿、笛を吹く姿、
琵琶を持って歌舞する姿などにつくる。緊那羅王。緊那羅神。
※
法華義疏(7C前)一「緊那羅、乾闥波、即是鬼神、皆為
二帝釈
一作
レ楽神」
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デジタル大辞泉
「緊那羅」の意味・読み・例文・類語
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緊那羅
きんなら
サンスクリット語 Kiṃnaraの音写。元来はインド神話上の半神。『マハーバーラタ』『ラーマーヤナ』のインドの二大叙事詩に多く現れ,類似の Kiṃpuruṣa (この語はベーダ文献にすでにみえる) とともに出るが,両者の関係は明確ではない。美しい声で歌をうたい,また馬の頭をしているともいわれる。仏教に取入れられ,羽をもった歌神とみなされている。仏陀の教えを守護する8種の神格 (→八部衆 ) のなかに含められている。
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世界大百科事典(旧版)内の緊那羅の言及
【八部衆】より
…人間の肢体に鳥の頭,翼,爪をもったガルダの図が中国のベゼクリク石窟にある。(7)緊那羅(キンナラkiṃnara) 歌舞神で,半人半鳥または半人半馬の姿で表される。これが半人半獣(鳥)の神と表されるのは,キンナラが〈人か否か〉を意味するからである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」