繊細の精神(読み)センサイノセイシン

デジタル大辞泉 「繊細の精神」の意味・読み・例文・類語

せんさい‐の‐せいしん【繊細の精神】

パスカル用語。日常接する複雑な事象を、推論によらず一挙に感得するしなやかな精神。⇔幾何学的きかがくてき精神

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「繊細の精神」の意味・読み・例文・類語

せんさい【繊細】 の 精神(せいしん)

  1. ( [フランス語] esprit de finesse の訳語 ) パスカルの用語。日常生活のさまざまな事柄を情感的にしなやかに感じ取りながら、自らを高めていく了解感受性能力。→幾何学的精神

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「繊細の精神」の意味・わかりやすい解説

繊細の精神
せんさいのせいしん
esprit de finesse

パスカルの言葉幾何学的精神の対概念 (ブランシュビック版『パンセ冒頭にある) 。いわば哲学する精神のことであり,パスカルは,その原理は日常用いられてはいるが,微妙で目につきにくく,よい目をもつことが肝要であるとしている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の繊細の精神の言及

【パスカル】より

…とくに51年父が亡くなり,その後妹のジャクリーヌ・パスカルJacqueline Pascal(1625‐61)が,彼の意志に反してポール・ロアイヤル修道院に入ると,彼は一見宗教に無関心な〈世俗時代〉を送ることになる。しかしこの間メレA.G.chevalier de Méréなどの社交界の人士との交友を通じて,人と人との自然で節度ある交わりを理想とする〈オネットムhonnête homme(紳士,教養人)〉のあり方に開眼し,〈幾何学的精神〉とは異なる〈繊細の精神〉で人間を観察することを学ぶ。同時に科学研究も精力的に続行し,〈大気の重さ〉と〈流体の平衡〉に関する論文を仕上げ(刊行1663),さらに賭博の賭金の分配のしかたをめぐってメレから受けた質問に端を発してフェルマーとともに確率の問題を論じ,その成果として《数三角形論》(刊行1665)を著した。…

※「繊細の精神」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android