朝日日本歴史人物事典 「織田信邦」の解説
織田信邦
生年:延享2(1745)
江戸中期の大名。上野国甘楽郡の小幡藩(群馬県甘楽郡)藩主。父は幕府高家の信栄。明和1(1764)年,小幡藩主織田信富の養子となり,襲封。美濃守。山県大弐門下の吉田玄蕃を家老に登用して藩政の刷新を図った。大弐と交友関係にあった信邦は,彼に藩士たちへ兵学を講義させた。のち大弐,藤井右門らが甲府・江戸城の攻防などを論じたことから,それが陰謀を企てているとされて,明和事件に発展。幕府から咎めを受けた信邦は,4年実父の信栄と共に蟄居を命じられ,養子信浮は出羽国高畠(山形県東置賜郡高畠町)に移封された。
(長谷川成一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報