ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モンゴルフィエ兄弟」の意味・わかりやすい解説
モンゴルフィエ兄弟
モンゴルフィエきょうだい
Frères Montgolfier
(弟) ジャック Jacques-Étienne 1745.1.6. アノネ~1799.8.2. セリエール
フランスの気球発明者。富裕な製紙業者を父にもつ。ジャックはパリで自然科学と建築学の教育を受け,しばらくは教会の設計などを行なっていたが,やがて兄弟そろって父の跡を継ぎ,アノネで製紙工場を経営。科学実験に深い関心をもち,1782年わらを焼いて熱した空気を大きな紙袋に詰めると空に浮くことを発見。翌 1783年6月4日アノネの広場で絹製の熱気球浮揚の公開実験を行ない,高度 1000m,距離 2kmあまりの飛行に成功。次いで9月 19日ベルサイユで,気球をそれまでのものより大きくしてヒツジやアヒルを乗せ,国王ルイ 16世の前で飛ばして成功した。さらに 11月 21日には2人乗りの気球を飛ばし,パリ上空を 25分間,9km飛行し,世界初の有人気球飛行に成功した。兄弟の気球は学界でも関心を呼び,1783年,ジョセフは科学アカデミーの会員,ジャックは国立研究所通信会員にそれぞれ選ばれた。
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