織田信長居館跡(読み)おだのぶながきよかんあと

日本歴史地名大系 「織田信長居館跡」の解説

織田信長居館跡
おだのぶながきよかんあと

[現在地名]岐阜市千畳敷・千畳敷下

金華きんか山の西麓、岐阜城跡の真下にある。岐阜公園の一部。金華山西面のけやき谷は、山麓平地との境界辺りで急に傾斜を緩め、谷川両岸に二、三段の棚状の地形が広がっている。その最上段は千畳敷せんじようじき、中段以下の大部分は千畳敷下せんじようじきしたとよばれる。同地を含む金華山西麓一帯では、岐阜公園再整備構想に伴い昭和五九年(一九八四)より遺構確認のための発掘調査が行われている。その結果信長時代の遺構とそれ以前と考えられる遺構が検出され、現在その跡は順次復元整備されて公開されている。

信長は永禄一〇年(一五六七)の入城後、直ちに壮麗な居館建設に着手したらしく、同一二年岐阜に来たルイス・フロイスは、館の様子を詳しく記述している。「日本史」に「宮殿は非常に高いある山の麓にあり、(中略)驚くべき大きさの截断されない石の壁がそれを取り囲んでいます。第一の内庭には、劇とか公の祝祭を催すための素晴しい材木でできた劇場ふうの建物があり、(中略)広い石段を登りますと、ゴアのサバヨのそれより大きい広間に入りますが、前廊と歩廊がついていて、そこからまちの一部が望まれます。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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