繰上げる(読み)クリアゲル

デジタル大辞泉 「繰上げる」の意味・読み・例文・類語

くり‐あ・げる【繰(り)上げる】

[動ガ下一][文]くりあ・ぐ[ガ下二]
期日時間などを、予定より早める。「開催期日を―・げる」「予定を―・げて早めに帰る」⇔繰り下げる
順に従って前に送る。「次点者を―・げる」「着順を―・げる」⇔繰り下げる
足し算で、ある位の数の和が二けたになったとき、一つ上の位に数を加える。⇔繰り下げる
軍勢などを、少しずつ引き揚げる。
「ひとまず論陣を―・げた」〈蘆花思出の記
[類語]早める早まる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「繰上げる」の意味・読み・例文・類語

くり‐あ・げる【繰上】

  1. 〘 他動詞 ガ下一段活用 〙
    [ 文語形 ]くりあ・ぐ 〘 他動詞 ガ下二段活用 〙
  2. 次第に上の方におくりあげる。また、順に次へ送る。⇔繰り下げる
    1. [初出の実例]「下(しも)から上へくりあげつなどして礼儀のしなの多をあつめしるし」(出典:玉塵抄(1563)二二)
    2. 「締め切って了った窓を、一枚だけカラカラと繰(ク)りあげた」(出典:大道無門(1926)〈里見弴白夜)
  3. 長く垂らした糸や縄などを、たぐり上げる。⇔繰り下げる
    1. [初出の実例]「縄を綣挙(クリアゲ)一人帰り給はん事労(いたまし)也」(出典:私聚百因縁集(1257)六)
  4. 軍勢などを、少しずつ引き上げる。くりびきにする。
    1. [初出の実例]「彼境端村等は悉繰挙候条、城責之外は御働有かたき由聞得候」(出典:上井覚兼日記‐天正一〇年(1582)一一月二五日)
  5. 期日などを予定よりも早くする。⇔繰り下げる繰り延べる
    1. [初出の実例]「お手間は決して取らせません。時間も成丈(なるた)け繰上げて」(出典:落語・鉄拐(1890)〈禽語楼小さん〉)
  6. ある物のはんぱをなくすために、補足してきちんとした数量にする。
  7. 加え算で、ある位の数の和が二桁になったとき、一つ上の位に一を加える。⇔繰り下げる

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